カザリキヌバネドリ

カザリキヌバネドリ

Resplendent Quetzal

Pharomachrus mocinno

トップ画像: Fig333

生息地(Geographic range)

  • パナマ(Panama) λ=-80
  • コスタリカ(Costa Rica) λ=-84
  • ニカラグア(Nicaragua) λ=-85
  • ホンジュラス(Honduras) λ=-87
  • エルサルバドル(El Salvador) λ=-89
  • グアテマラ(Guatemala) λ=-90
  • メキシコ(Mexico) λ=-100
Geographic range

カザリキヌバネドリ(Resplendent Quetzal)の瞳

カザリキヌバネドリ
Fig59e

優雅な姿とはうらはらに横顔は子供っぽくとっても可愛らしい。

キヌバネドリの仲間は全般的に目が大きいですが

まん丸の黒い瞳は霧深く薄暗い雲霧林でもよく見えるよう発達したもので、ぼさぼさの頭と相まってまるで赤ちゃんのようです。

が、、、

正面から見るとモヒカン。。。

レスプレンデント ケツァール

この頭も環境に適応した結果なのでしょうか?

チランジアとカザリキヌバネドリ
Fig817

蛇足になりますが…

写真Fig817: カザリキヌバネドリ(Resplendent Quetzal)と一緒に首をかしげるチランジア(左のエアープランツ)

チランジアが横向や下向きになっているのはよくある事で、種によっては横向/下向きがほとんどの事もあります。

チランジア・ブルボーサなどの種は葉の付け根に水がたまらないように横向/下向きになるそうです。
こういった種は水がたまると調子を落とし最悪の場合は枯れます(栽培時は水のあげすぎ注意)。

逆に上を向いて貯水タンクのように葉の間に水をためる種もあります。

カザリキヌバネドリ(Resplendent Quetzal)の食べ物

木の実を食べるレスプレンデント ケツァール
Fig108

木の実を食べる果食性。
かなりの偏食でクスノキ科の木の実(18種)ばかりを食べています。
カザリキヌバネドリ(Resplendent Quetzal)の季節移動はクスノキ科の木の実がなっている地域とリンクしているそうです。
このような動植物の季節的変化を研究する学問をフェノロジー(Phenology)と言います。

アボカド
アボカドもクスノキ科でキヌバネドリの大好物

繁殖期には虫なども食べているそうだけどクスノキの森がなくなっちゃたらどうなるんだろう。

Resplendent quetzal eating nuts
Fig498: のどに詰まりそうな大きさの木の実…

カザリキヌバネドリ(Resplendent Quetzal)の羽

上尾筒(uppertail covert)
Fig143

上尾筒(じょうびとう / Upper tail coverts)と呼ばれる長い尾は体の他の部分よりも長いです。

曖昧な記憶ですがマヤ時代?は王族しかこの鳥の羽を持つことは許されず、カザリキヌバネドリ(Resplendent Quetzal)を殺すと殺人と同じ罪になったそうです。

この美しい羽根は実は茶色で、光の反射で緑や青に見えるのだそうです。

カザリキヌバネドリ

丸写真Fig873の個体は青く見えます。

またこの鳥は皮膚が弱く、肌を守るために羽が厚くなっているそうです。

カザリキヌバネドリ(Resplendent Quetzal)の飛翔

レスプレンデント ケツァール
Fig635

その美しい羽根は飛翔に特化して進化したものではないようで、やっぱり飛びにくいみたいです。

他の鳥よりも飛翔能力は低いと言われています。

Resplendent Quetzal in flight

天敵のクマタカやイヌワシに見つかったら飛翔能力では勝てないから

臆病で薄暗い森に隠れていて、開けた場所にはあまり出てきません。

ケツァール(Quetzal)と呼ばれるこの鳥は”密林”でしか生きていけない鳥で人間による森林伐採の影響をもろに受けてしまいます。

レスプレンデント ケツァール
Fig756

カザリキヌバネドリ(Resplendent Quetzal)の鳴き声と動画

子犬がクンクン言っているような鳴き声?

上の鳴き声を聞きながら映像を見るといい雰囲気です。

カザリキヌバネドリ(Resplendent Quetzal)の天敵

アカエリクマタカ(Ornate hawk-eagle / Spizaetus ornatus)

アカエリクマタカ
ひょうきんな顔に見えますが
Ornate hawk-eagle
飛ぶ姿はまさに猛禽類
Spizaetus ornatus
恐ろしい天敵です

イヌワシ(Golden eagle / Aquila chrysaetos)

イヌワシ
Fig058
イヌワシ
Fig058
イヌワシ
足の太さが鳥じゃない

ミドリチュウハシの仲間(Emerald toucanets / Aulacorhynchus XXX)

※学名や分類は混乱しているようですので気にせず”XXX”と表記しています。

キバシミドリチュウハシ Aulacorhynchus prasinus
Fig764:とてもカラフルで
キバシミドリチュウハシ Aulacorhynchus prasinus
Fig017: ずんぐり可愛いですが
Fig299: 口がでかく卵や雛を食べてしまいます

その他の捕食者

こちらも卵やヒナを食べてしまいます。

チャイロカケス(Brown jay / Cyanocorax morio)

チャイロカケス(Brown jay / Cyanocorax morio)

オナガオコジョ(Long-tailed weasel / Neogale frenata)

オナガオコジョ(Long-tailed weasel / Neogale frenata)

キンカジュー(kinkajou / Potos flavus)

Fig460: キンカジュー(kinkajou / Potos flavus)
舌が異常に長い(リンク先三枚目の写真)

キヌバネドリ科
Fig932

コスタリカ:国土の1/4が自然保護区

カザリキヌバネドリ(Resplendent Quetzal)のバードウォッチングと言えば真っ先に思いつくのがコスタリカです。

コスタリカは鳥類に限らず生物が多様で50万種以上の生き物が暮らしていると言われています。

世界のメガ ダイバーシティー20か国のうちの一つで、世界トップクラスの生物種の密度を誇ります。

Resplendent Quetzal
Fig269: コスタリカ

コスタリカ生物圏保護区

  • 水と平和生物圏保護区(Agua y Paz Biosphere Reserve)
  • 中央火山山脈生物圏保護区(Central Volcanic Range Biosphere Reserve)
  • サベグレ生物圏保護区(Savegre biosphere reserve)
  • ラ・アミスター保護区群(La Amistad Reserves)
コスタリカ生物圏保護区
Reservas de Biosfera Costarricenses(翻案)

コスタリカは国土の1/4を自然保護区にしている環境先進国で、国土だけでなく海域の1/3も自然保護区にしています。

カザリキヌバネドリ
Fig115: Costa Rica

そして中米のスイスと言われる美しいところです。
他の中南米諸国と比べ白人比率が非常に高い(94%)のもスイスをイメージさせる要因でしょうか。

Resplendent Quetzal
Fig165: コスタリカ

国名のCosta Rica(スペイン語)は英語に直せばCoast Richで、豊かな浜辺・美しい浜辺と言う意味です。

蛇足になりますがコスタリカ(Costa Rica), コロンビア(Colombia), チリ(Chile)の3か国は”3C”と言われ米大陸でも特に女性が美しい事で有名です。

グアテマラの通貨ケツァール(Quetzal)

カザリキヌバネドリ(Resplendent Quetzal)の生息地グアテマラの通貨単位はQuetzal(ケツァル)です。

グアテマラ コイン

日本語では通貨はケツァルと短く発音し、この鳥の名はケツァール(Quetzaaal)と長く発音するのが一般的です。

通貨単位に使用することからも、この鳥が大切にされてきたことがうかがえます。
グアテマラ銀行のマークにもカザリキヌバネドリ(Resplendent Quetzal)の絵が描かれています。→リンク

コスタリカ 自然保護区
Fig472
パナマの野鳥
Parque Nacional Volcán Irazú (Sector Prusia) ボルカン・イラス - セクトール・プルシア国立公園

Fig084: CC BY-NC-SA

レスプレンデント ケツァール
Fig657

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